モニターアームの選び方 5つのポイント(医療編)

 

病院や歯科医院などの医療機関で使用するモニターアームを選び際の基本的なポイント5つをご説明いたします:

 

ポイント1:設置する機器は何ですか?

 

私どもが最初にお客様にお聞きするのはアームにどのような機器を搭載したいのか?ということです。

設置する機器にあわせてアームの先端形状を選択します:

 

一般的なディスプレイにはVESA75/100規格

75 x 75mm、100x100mmのねじ穴が背面にあるフラットディスプレイ・TVなどに対応、国際規格として広く認知されていることから生体情報モニタなどの医療機器にも採用されている。(大型ディスプレイには他のサイズのVESA規格がある)

ポイント!

ディスプレイの縦方向への傾斜(チルト)角度、横方向への首振(スウィーベル)の角度、回転機能(ディスプレイを縦・横で使用可能にする)の有無、などメーカーによって仕様が異なります。


ノートパソコン・キーボードには専用トレイ

ノートPC、キーボードを載せるための専用トレイをアーム先端に取り付けます。一緒に使用するマウスを載せるためのマウストレイ付のものが主流です。

 

ポイント! 

入力作業中の手首へのストレスを軽減するために、傾斜角度が調整できるものを選びましょう!


ディスプレイ&キーボードトレイ用

上記のVESAマウントアダプタとキーボードトレイが1本のアームに必要になります。

ポイント! 

上記のポイントに加え、ディスプレイとキーボードの位置(前後上下)関係が調整できたほうがより快適に入力作業が行えます。


生体情報モニタ用

医療機関にはIT機器以外に、医療機器であるモニタもあります。

上記VESA75/100以外の方法で固定する機器もあるため注意が必要です。

ポイント!

メーカー・機種によって固定方法が異なります!

(写真左はGEヘルスケア、日本光電などが採用しているプランジャープレート、右はフィリップス製生体モニタ専用マウント)

 


その他

上記の機器以外にも、プリンタ、スキャナ、タブレット、カメラなどもアームに搭載する場合があります。

ポイント!

メーカー・機種によりサイズはさまざまです、仕様が確認できるカタログ、図面などを提供いただくと選定がスムーズになります。

 


 

ポイント2:アームに搭載する機器の重量は何Kgですか?

 

モニターアームは機種によって耐荷重が異なります、そのため、機種を選定するに当たってはポイント1で確認した搭載する機器の重量を確認する必要があります。

ASUL560i-W5-AS1 | 医療向け | ウォールチャネルマウント | 逆向き ディスプレイアーム

ASUL560i-W5-AS1 | 医療向け | ウォールチャネルマウント | 逆向き ディスプレイアーム の場合

 

 

ポイント3:どこにモニターアームを固定しますか?

 

モニターアームを固定する場所によってアームの末端(付け根)部分の形状が異なります。

例えば、Eliteシリーズダブルアームタイプですと、

  • ウォール/壁
  • デスク/カウンター
  • ポール/支柱
  • シーリング/天井
  • フロア/床

が選択可能です。

 

上記以外にも、麻酔器、キャビネット、カートなどもモニターアームを固定する場所として指定されます。

 

ポイント4:固定した場所からどの程度の距離で機器を使用しますか?

 

アームを固定した場所-設置する機器を使用する場所までの距離(リーチ)によって機種を選定します。

例えば、

下の画像の左側、ASGX-170だと、壁から約10cmの位置にディスプレイが設置されます。

一方、右側のASUL182i-OHATの最長リーチは約196cmです。

壁面固定 VESAディスプレイマウント :ASGX170-WM

ASGX-170

壁面固定ロングアーム オーバーヘッドアーム

ASUL182i-OHAT


距離を固定せず調整する必要なら、延長アーム付のタイプ、もしくはダブルアームが必要となります。

UL180 UL182 昇降式アーム

UL180/182コアアーム

AS1 A1 延長アーム 水平アーム

延長アーム

ウォールマウント 壁面固定 昇降式 ワークステーションアーム:ASUL180EV7-W3-KUP-A1

ASUL180EV7-W3-KUP-A1


例えば、UL180/182シリーズのガススプリング内蔵のコアアームと延長アームの組み合わせだけで

  1. Ul180コアアームのみ
  2. UL182コアアームのみ
  3. UL180コアアーム+AS1延長アーム
  4. UL180コアアーム+A1延長アーム
  5. UL182コアアーム+AS1延長アーム
  6. UL182コアアーム+A1延長アーム

 

といように長さ違いのバリエーションがあります。

右上のイメージは上記4のパターンのディスプレイキーボード用です。

ポイント!

リーチしたい位置までしっかり届くアームを選定しないと、

・操作者がアームに近づき入力作業しなければならない

・表示されている情報を誤認してしまう

など導入のメリットを最大限に享受できなくなってしまいます。


 

ポイント5:設置機器の高さを調整する必要がありますか?

モニターアームを使用する場合、高さ調整が必要かどうかを必ずお聞きしています。

 

高さ調整が必要 ⇒ ガススプリング内蔵タイプ(昇降+水平方向への移動)

 

高さ調整が不要 ⇒ スウィーベルタイプ(水平方向への移動のみ)

 

を選ぶ必要があります。

 

目的、設置場所、使用される方の人数、などの条件をヒアリングしたうえで、

どちらを選択すればいいかご提案します。

 

ポイント!

スウィーベルアームを選択する場合は、任意の高さで固定できるかどうかが重要になります。

 

ポイント!

長時間使用する環境ではエルゴノミクスをより重視してガススプリング内蔵タイプを選択しましょう。

 

ポイント!

ICWUSAのスウィーベルアームでは、ガススプリングを内蔵していなくてもディスプレイの高さを微調整することができる機能を持っている機種があります。


 

左)ASEV65-P15-A1  スウィーベルアーム(高さ調整不可)

 

中央)ASUL550-P15-AS1  スウィーベルアーム(部分的に高さ調整可)

 

右)ASUL180BV-P15-AS1   ガススプリング内蔵アーム(アーム全体で高さ調整可)


 

5つのポイントをまとめると、

 

ポイント1:設置する機器は何ですか?

ポイント2:アームに搭載する機器の重量は何Kgですか?

ポイント3:どこにモニターアームを固定しますか?

ポイント4:固定した場所からどの程度の距離で機器を使用しますか?

ポイント5:設置機器の高さを調整する必要がありますか?

 

できるだけシンプルにポイントだけをお伝えしたつもりですが、難しくてよくわからない、と言う方もいらっしゃると思いますが心配ありません。

私どもの代理店にお気軽にご相談いただければ、上記5つのポイント以外の詳細もヒアリングさせていただいた上で3000種類以上の中から最適な1台をご提案させていただきます。